3/05/2013

手書きの処方せん

今Parisは5時近い朝方。
こんなにぐっすり気持ちよく眠れたのは6日ぶり…
日本で出発前日に風邪気味だったので病院に直ぐに行き、処方して貰った薬を飲みつつ来たんです。
そして、熱が高くなったら、現地のドクターに診てもらうように言われました。
こちらに着いて数日、ずっと忘れず薬を飲み続けても全く効かず、悪くなる一途を辿るばかり。
今朝、遂に意を決してホテルでドクターを呼んで貰いました。

初めてのドクターだし、フランス人だし、不安がつのるばかり。
45分後にいらっしゃると、コンシェルジュから電話が来てからの待ち時間は期待と不安で凄く長かった…(~_~;)

でも、でも、ドアが空いて入って来た初老の紳士は優しく微笑み…フランス語なまりの英語で Good Morning と挨拶してドクターバッグをソファに置き直ぐに診察を始めてくれました。

旅人の往診に慣れているのか、全ての不安を取り去るように、ジェスチャーを交えて丁寧な診察をしてくれました。
こんなに聴診器を長く当てられた事はないな?と考えてしまう程、息を吸ったり吐いたりしながら、そして咳しながらと、私の呼吸や気管支炎の状態を前から後ろから丁寧に聴いて下さいました。
体温、血圧、を計り数値を教えられ、
薬のアレルギーがあるかを尋ねてくれて診察は終了。
それから彼はデスクに座り、この手書きの処方せんを書き始めました。
詳しく飲み方の説明までジェスチャーを交えて事細かくして下さり、
最後に大丈夫!と言っているかのようにゆったりと微笑みながら、私の目をもう一度見て静かにドアを閉じて
帰えられました。

医療では先進国といわれるフランス。ハリウッドセレブもわざわざフランスで治療する程なんだと、フランス在住の日本人に聞いた事はありましたが、たった20分の往診で5時間後には全ての症状から解放され、不安もなくなり、心に残ったのは…医療の原点と云う言葉でした。

最近の日本は往診なんて殆ど聞かないし、それぞれの分野が専門細分化して、こんな町医者に会える事がまれになりつつあります。
でも患者はたとえ風邪であっても不安だし、1分1秒でも早く治りたい。
それに即座に応えてくれるホームドクターが居てくれたらと皆さんいつも探しています。
(コレットのご近所さんの口コミ話はお医者さまの情報網が凄くて助かります)

日本はなんでも古い物を直ぐに捨てて新しい物に走るけど、アナログで昔ながらの経験や知識、良い事を大切に受け継ぐ精神も大切なんだと、今回は本当にフランスのドクターに学びました。
私も反省しなけれは…(>_<)

処方せんを持って薬局に行くと、ドクターがアレルギーを心配してくれた薬はペニシリンだそうで、なんか暫く聞かなくなったような名前だけど、誰でも知ってる昔ながらの薬で安心しました。

ドクタージョセフさん、本当にありがとうございました。m(__)m
あなたの優しい心遣いと愛溢れるお人柄を一生忘れません(T_T)

そして、日本からいろいろ手配して下さった、小笠原さん、のばらちゃん、そして側で看病してくれた店長、ありがとうございました。m(__)m
感謝の気持ちでいっぱいです。

もし、日本に来た外国の人が私のようになっても、日本の素晴らしいドクターが同じように治してくれることを
祈っています。
私には治療は出来ませんから、このブログを通して、日本のお医者さまが読んで下さり、私からの恩返しに繋がればと思い、長文をUPさせて頂きました。
失礼しましたm(__)m
皆様も健康には十分にお気をつけて、
お過ごし下さいね。m(__)m